歴史的な建造物が多く残る京都や大阪には、街並みの中に長屋住宅をよく見かけます。
しかし、近年お客様から増えているのがこんなご相談。
「親族から建物を相続したけど、住む気はないので売却したい。でも、長屋だから難しいかも・・・。」
なぜ一般の共同住宅とは違い、長屋の売却は難しいと言われるのでしょうか?
今回は、長屋と共同住宅の違いと、その売却方法をご紹介します。
長屋と共同住宅の違いって?
長屋とは数件の建物がつながっている形式の住宅で、一見すると大きな一戸の住宅に見えますが、それぞれが独立した住戸です。
「連棟式住宅」や「文化住宅」、「テラスハウス」や「タウンハウス」とも呼ばれています。
通常の共同住宅も、複数の独立した住戸の集合体という意味では長屋と同じですが、階段や廊下、ホール、エレベーターなどを共有しています。
一方長屋は各住戸と住戸の間の壁以外共有する部分はなく、各住戸に外部から直接出入りできる住宅になります。
売却はなぜ難しい?
建物一棟全体の所有者が1人であれば問題ありませんが、土地建物の所有権を複数人で分けている場合、建て替えやリフォームには他者の同意が必要になるため自由にできません。
また、隣の住戸と柱や壁を共有しているため、片方を壊すと隣戸の強度が落ち、補強が必須。
そのため建て替えには隣戸の協力が不可欠です。
他にも、築年数が古い物件は耐震基準に適合していない物件が多く、建て替えが難しいため金融機関から担保価値が低いとみなされ、一般的な金融機関では住宅ローンを利用できません。
そのため、購入には現金か、金利が高い金融機関でローンを組むことに。
それらの理由から、買手を見つけることが難しくなっているのです。
売却するには
では、長屋を売るにはどんな方法があるのでしょうか?
長屋を解消して取り壊し、単独で好きなように活用できれば、そのままよりも高い金額で売却できます。
しかし、現実的には物件に暮らす住人が同じタイミングで建て替え、取り壊しを希望するとは思えませんね。
ですから、実際には取り壊しや建て替えなどはせず、市場価格の7,8割という安価な値段でそのまま売られる物件が多くなっています。
長屋は魅力物件!
では、長屋は安い値段で売るしか方法がないのでしょうか?
いえいえ、必ずしもそういう訳ではありません。
近年は、独特の「昭和レトロ」な雰囲気を好み、「暮らしてみたい!」と考える方も増えています。
あえて独特の縦に長い構造を活かしてリフォームし、広いリビングダイニングにしたり、カフェを始めるなど、おしゃれに再生されている物件が多くみられます。
共同住宅と比べて規制が緩い分、リフォームのコストを抑えることができたり、建築の自由度が高いというメリットもあります。
そのため不動産会社では、立地や状態の良い物件を高額で買い取り、リフォーム後に店舗や住まいとして販売するという方法もよく取られています。
おわりに
長屋と共同住宅の違いと、売却についてご紹介しましたが、いかがでしたか。
センチュリー21グローバル不動産販売では、京都・大阪の売却が難しいと思われる物件についてもご相談を承っております。
不動産売却のお手伝いは、弊社にお任せください。