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病気や自然死などがあった不動産は、その後の売却に影響はあるのでしょうか。
結論から申しますと、在宅看取りの場合は事故物件として扱いません。
しかし、例外的に事故物件とされる場合や、不動産売却に影響が生じることがあります。
今回は告知義務がある場合や影響を最小限に抑える方法をお伝えしていきます。
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弊社へのお問い合わせはこちら在宅看取りが起きた物件は事故物件としての売却となるのか?
事故物件は相場よりも価格が安くなり、できれば避けたいところです。
在宅看取りとは終末期を迎えた方のそばで世話をして最期を見届けることですが、在宅看取りのあった物件は基本的に事故物件とはならず、告知義務もありません。
事故物件は心理的瑕疵(かし)となるかによるのですが、老衰や持病による病死などは人が住む不動産であれば当然生じる自然死とされ、瑕疵があるとされず、事故物件となりません。
人を嫌な気持ちにさせるような欠陥や欠点のことを心理的瑕疵といい、心理的瑕疵があると判断されるのは、自殺や殺人、事故死など不自然に人の死が発生した物件です。
また、事故死であっても、自宅の階段からの転落、誤嚥などは日常生活の中での不慮の事故で、これらも日常で起こりうる範囲内となり、告知しなくても良いとされています。
浴室での心筋梗塞や、乳幼児突然死症候群、原因不明の死亡などの突然死も事件性がなく、事故物件に該当する可能性は低いです。
ただ、心理的瑕疵には判断基準やルールなどはなく、あいまいです。
現代はインターネットの普及やSNSでの発信により、在宅看取りをしたことで風評被害を受ける可能性もあります。
たとえば、誰もが自由に書き込めるWebサイトがあり、過去に人が亡くなった物件がわかるようになっています。
こうしたWebサイトやSNSに書き込まれてしまうと、事故物件ではなくとも値段を下げなければ買い手が見つからないということはあり得ます。
場合によっては告知しなかったことで、購入後に心理的瑕疵があったと損害賠償を求められてしまうケースもあります。
在宅看取りでも事故物件として告知義務が必要と判断される場合は?
それでは、自宅看取りでも例外的に告知義務が発生し、事故物件として扱われるのはどういった場合でしょう。
たとえば、遺体発見が遅れて事件性が疑われる場合です。
事故や事件性がなくても、死後一定期間が空いてしまうと事件性を疑われ、事故物件と判断されることがあります。
自宅で看取ったときは速やかに死亡確認をしてもらい、事件性が疑われることのないようにしましょう。
もし、事件性が疑われると、警察が駆け付け、近所への聞き込みなどをされてしまい、噂が立ち、結果として物件の印象を下げることにつながってしまいます。
事実としては自然死だったにもかかわらず、事件のあった物件だという印象になり、心理的瑕疵のある事故物件に該当してしまうことは避けたいです。
ちなみにこの一定の期間というのもとくに明確な基準はありませんが、在宅看取りを予定しているにもかかわらず、何時間もあとに発見されると事件性が疑われると思ってください。
また、部屋に異臭や汚れが残ってしまった場合にも事故物件とされる可能性があります。
遺体によるシミや汚れが床や壁に残ってしまったり、独特の異臭が充満してしまったりすると、心理的瑕疵に該当します。
孤独死で発見が遅れてしまう場合にとくによくある話ですが、ご遺体からのにおいや水分が染みついてしまうのです。
親が一人暮らしをしていて、数日ごとに様子を見に行っている場合などには数日後に発見されることがあるかもしれません。
このような孤独死も自然な死とされ、数日程度なら心理的瑕疵はないと判断されることもあるのですが、異臭や汚れによっては瑕疵があると見なされ、事故物件となります。
もし、異臭や汚れが発生したら、特殊清掃などを施して、少しでも部屋の心理的瑕疵を下げるように配慮してください。
いずれにしても、人が亡くなった不動産を売却する際は、事件性のない自然死であっても告知義務に該当する場合がありますので、ご自身で判断せず不動産会社に相談するようにしましょう。
では、もし、事故物件として扱われてしまった場合、その価値はどのくらい下がるのかはご存じでしょうか。
あくまでも目安とはなりますが、1割から3割は下落すると思っておいてください。
異臭や汚れの程度によってはもっと下がることも考えられます。
特殊清掃やリフォームが必要となれば、その費用も別途かかってきます。
在宅看取りをするうえで事故物件として影響を抑えるためにできることは?
在宅看取りの場合には心理的瑕疵になりにくく、事故物件とはなりづらいものの、場合によっては事故物件として扱う可能性をお伝えしました。
では、物件価値をなるべく低下させないように準備できることはあるのでしょうか。
在宅看取りを考えている方はポイントを押さえて準備しておくと良いでしょう。
ポイントの1つ目が警察の検死を受けないことです。
通常、自宅で人が亡くなった場合、死因を調べるために警察による検死がおこなわれますが、在宅看取りの場合は医師の協力で成り立つので、病名や死因は明らかとなります。
そのため、スムーズに医師による死亡確認がなされ、事件性などが疑われなければ、警察の検死を受けなくて済みます。
事前に夜間時や緊急時の連絡先を決めておくことで、死亡確認ができ、警察の出入りを避けられます。
検死は決定すると、拒否できず、警察が出入りしているのを近所の方々に見られていると、噂やインターネットへの書き込みによって心理的瑕疵のある物件になる危険があります。
なお、浴室で溺れたり階段を踏み外したりして事故死した場合は、事故の検証のため、警察が自宅を訪れ、事情聴取されることはあります。
2つ目のポイントは、病死から日が浅い場合は買主に看取りの事実を告知しておくことです。
在宅看取りでも死者が出たとあれば心理的瑕疵を感じる方もいますので、買うまでに至らないこともあるでしょう。
在宅看取りをされた場合、その物件は半年から数年経過すると瑕疵が下がるとされ、早々の売却では心理的瑕疵を与えてしまう可能性が高いです。
もし、日が浅いのに告知義務はないからと告知しなければ、購入後に「それなら買わなかった」と買主からの損害賠償請求に発展してしまうリスクがあります。
死後すぐに売却したい場合は告知することでこのリスクを抑えられます。
3つ目のポイントは自宅以外での看取りを検討することです。
そもそもの話にはなってしまいますが、自宅での見取りや介護、ケアなどは家族にとって大きな負担となります。
そこで最近は、介護施設で看取りをおこなうことも増えてきています。
介護施設は病状の急変時には医師や看護師が対応してくれ、住み慣れた環境で最期を迎えることにつながります。
看取りの体制を整えている介護施設も多く存在し、本人にとっても家族にとっても負担なく見取りの希望を叶えられるのではないでしょうか。
物件の売却を念頭に置いている場合には、根本的に事故物件の可能性を避けられるので、一度ご検討いただくのも良いでしょう。
まとめ
当社では上記のような物件もお取り扱いしております。
在宅看取りは心理的瑕疵がないと判断され、基本的に事故物件にはなりません。
しかし、事件性がある場合や異臭が残る場合などには事故物件として扱われることもあるので、できる限り物件への影響を最小限にしておきましょう。
いずれにせよ、人が亡くなった不動産の売却は、まずは不動産会社に相談するようにしましょう。
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