地震が多い日本において、安全な住環境をつくる「地震対策」は重要です。
今回は、室内における「地震対策」をテーマに、家具固定の必要性、L字金具などを使って自分でできる固定法などを解説します。
昨今は、災害に対する意識も高まっています。
大切な家族と住空間を守るためにも、地震対策についてぜひご覧ください。
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日本での「地震対策」の必要性
地震大国と表現されることもある日本。
日本全国と周辺で、人が感じ取れる震度1以上の地震が起きる回数は、年間で1,000回から2,000回ほどといわれています。
日本に暮らしていると、誰もが地震の多さを認識し体感していますが、これほど頻発していると知っている方は少ないのではないでしょうか。
一方で、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、1900年以降、日本でもっとも大きな地震とされており、今なお鮮明に記憶している方が多いでしょう。
また、2021年に入っても、2月13日、福島県において最大震度6強の地震が発生しました。
このときも、住宅地では揺れによりブロック塀が崩れる被害や、ケガ人などの人的被害も確認されています。
地震は発生しないことが、一番の願いですよね。
しかし、多くの場合は小規模なものですが、日本で地震が起きないところはないといわれています。
油断すると、いざという時に自分の身を危険にさらしてしまいます。
かと言って、ずっと不安な気持ちでいるのも体に良くありませんから、自分でできる地震対策はぜひおこなっておきたいですね。
家のなかの備え「家具固定」が重要
1995年に起きた直下型地震、阪神・淡路大震災は、震度7を記録し、大きな被害を出しました。
このとき、家自体は全半壊をまぬがれたにもかかわらず、室内にいて、ケガや地震の犠牲にあった方が多くいました。
おもな原因としては、揺れにより家具などが転倒し、下敷きになってしまったり、逃げ道がふさがれたりしたためです。
また、単に倒れるだけでなく、重量のあるピアノや冷蔵庫までが揺れで移動し、食器棚からは食器が飛び散るような被害も見られました。
阪神・淡路大震災で、「ケガの原因」の半数近くが、この家具などの転倒によるものとされています。
住まいの地震対策というと、建物の耐震機能などに注目しがちですが、室内においても「家具固定」をしておくことが、家族を守るためにとても有効です。
たとえば、テレビの落下やタンスなどの家具の転倒などは、震度5強でも起こり得るとされています。
室内の対策として家具固定に取り組むことは、過去に起きた地震からの重要な学びともいえます。
大切な家族や住空間を守るためにも、平時のうちに、ぜひ家具を固定しておきましょう。
自分でできる地震対策!L型金具などを使った家具の固定方法
家具固定の金具を付ける前に
室内の対策「家具固定」では、家具を壁などに固定し、揺れに対して、家と家具が一体となって動くようにすることが重要です。
固定には、おもに「L型金物」などといわれる金具を使いますが、取付け前に知っておきたいポイントがあります。
固定する際、壁であればどこでもOKというわけではなく、適した場所を見つけることが大切です。
それは、壁のなかの「桟(さん)」がある場所です。
桟には、縦桟と横桟があり、縦桟の場所がわかれば、家具の高さに関係なく固定することも可能です。
桟が隠れている場所をみつける方法は、ドライバーを用意し、柄の太い部分を使って壁を叩いていきます。
通常、壁内には30センチから45センチほどの間隔で桟があり、そのほかの部分は空洞です。
そのため、壁を叩いて、2センチずらし、また叩くという動作を繰り返していると、音や叩いた感触が異なる部分に気づきます。
空洞部分は太鼓のような響く音が鳴ります。
叩いた音が、「コンコン」という感じの固い音がすれば、桟が入っている可能性が高いです。
桟がある部分に固定することで、対策の効果が期待できますから、ひと手間かかりますが、桟の場所をさがしましょう。
L型金物による固定方法
対策として家具を固定する際、L型金物を使用するのが転倒防止に効果的です。
L型金物は、文字通り「L字型」をした固定のための金具です。
L型金物とあわせて、木ネジを用意します。
木ネジは、壁の厚みを考慮して、壁の桟に届く長さのものを選びましょう。
壁の縦桟と、家具自体の桟の位置をあわせてL型金物を取り付けるのが、対策としては理想的です。
しかし、当然、家具の幅やレイアウトの都合で、壁の縦桟の家具の桟の位置があわないケースがあります。
その場合は、まず壁の桟に対して、家具の高さにあった位置に「横木」を設置します。
横木を桟で固定し、その次に、横木と家具をL型金物で固定します。
横木を取付けた高さと、家具の高さが10センチ未満でずれている場合などは、金具をスライド式のL型金物にするのがおすすめです。
反対に、家具の桟が弱い場合などは、家具の天井に板を渡して固定し、その板と壁をL型金物で固定するとよいでしょう。
また、積み重ねるタイプの家具は、上下のパーツも先に連結しておくか、上下それぞれを桟に固定します。
金具以外の固定方法
適切な桟がない場合などは、つっぱり棒タイプの器具を使い、天井に対して固定する方法もあります。
この場合は、天井に十分な強度があることを確認し、壁に近い奥の方の位置で設置します。
竿縁天井の場合は、天井側に厚めの板を掛け渡し、家具と天井側をつっぱり棒タイプの器具で固定します。
いずれの場合も、地震対策のマット式の固定アイテムなどを併用すると効果的です。
また、大型家電である冷蔵庫は、キャスターをロックし、上部と壁をベルト式の器具で固定します。
テレビの落下を防ぐためには、まずテレビをストラップや粘着性のマットなどでテレビ台に固定し、さらにテレビ台をL型金具などで壁に固定するとよいでしょう。
地震対策のポイントや固定の注意点を知ってもっと安心!
最後に、地震対策で家具を固定する際のポイントや注意点もチェックして、より安心な住空間につなげましょう。
家のなかに安全空間をつくっておくことが安心につながる
まず、地震対策の固定作業をする前に、家のなかの家具の配置に注意して、安全空間をつくることも大切です。
具体的には、寝室や子ども部屋、高齢の方がいる部屋にはできるだけ家具を配置しないようにします。
出入口や廊下、階段付近、火気の近くにも家具を配置することは避けましょう。
安心を高める対策の一環として、避難路の確保や、出火を防止するためにも有用です。
家具そのものに対するポイントとしては、収納物は重いものを下にすると倒れにくく、ガラス製品などの壊れ物は上に置かないようにすることが安心につながります。
家具を固定できない壁もある
壁の縦桟に家具を固定することがポイントであることをお伝えしました。
しかし、壁には種類があり、桟の入る間隔などが変わります。
木造の戸建てで、木造軸組壁といわれる間仕切り用の壁は、30センチまたは45センチの間隔で桟が入るのが一般的です。
2×4の壁は、45センチか50センチと、桟が入る間隔がやや広くなります。
予備知識として知っておくと、固定するレイアウトを考えるときにも役立つでしょう。
一方、集合住宅で採用されるS1壁などの防露壁は、桟が入っていないため、家具の固定ができません。
叩いたときの音がコンクリート壁に似ていることも注意点です。
壁にはほかにも種類があります。
また、分譲住宅でも、隣戸の境になる壁など共用部分とされるため、金具の取付けなどができないケースもあります。
ご不明な点があるときは、工務店などの専門家や管理事務所に問い合わせるのが安心ですよ。
まとめ
室内での有用な地震対策として、家具固定の方法などを解説しました。
縦桟の探し方は、ホームセンターで下地探知用センサーやプッシュピンを購入しておこなう方法や、より確実な手段として、施工会社に連絡して教えてもらうか、設計図を入手して確認する方法もあります。
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