不動産売却時には、その家を実際に売却する前に、物件の状態を確認しておくためのインスペクションという方法を取ることがあります。
インスペクションをおこなうことでより売却をしやすくなると考えられますが、今回は、具体的にインスペクションとはどのようなことを指すのかについての解説から、メリットや必要な費用についてもご紹介していきます。
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今回ご紹介するインスペクションとは、家などの不動産売却時におこなう物件の状態の事前調査のことを指します。
具体的にどのような調査をおこなうのかというと、その物件に雨漏りやシロアリなど一般的に瑕疵と呼ばれる欠陥がないかどうか、また売りに出す際にはなかったとしても将来的に起こりうる可能性があるかどうかなど全面的なリスクについてです。
この調査は、国の定めている既存住宅状況調査方法基準に基づいておこなわれることが前提となっており、調査をおこなうのは既存住宅状況調査技術者講習を終了した建築士などの専門家である必要があります。
ちなみに、ここで調査の対象となる物件はすべての建物ではなく、築年数が2年以上経っている既存住宅のみになります。
単に築年数が経っているだけではなく、人が住んでいたことが前提で、一戸建てや賃貸物件などのいわゆる住宅とされる建物以外は調査対象となりませんので注意が必要です。
また、同じように新築の住宅も調査対象には入りませんので、中古を売りに出す場合のみ必要であると覚えておくと良いでしょう。
インスペクションは義務化されているものではないので、売主やその不動産の所有者によっておこなうのかどうか選択することができますが、近年では売却する前のタイミングでおこなうことがより一般的となっています。
不動産売却前にその物件について詳細まで知っておくためには、所有者からの視点だけではなく第三者である専門家による調査は大変有効で、それまでには気がつかなかった不具合や欠陥に気がつくことができ、またそれによって売却前に補修工事などをおこなえることから、売りに出す前のタイミングでやっておくべきプロセスであると言えるでしょう。
インスペクションをするメリット
インスペクションをしたうえで家を売却する際の売主側のメリットとして、一番に考えられるのはより高い売値で売りに出すことができるという点でしょう。
事前に物件の調査を行なって専門家によって安全が保証されることで、買主にとって信頼のできる家であることを証明できることに繋がります。
不動産売却は売主にとっても買主にとっても大きな金額が動く行為で、とくに買主は購入後、当然その家に住むことを前提として購入をします。
そのような大きな買い物をする際に、その家がしっかりと調査済みで、なおかつ問題がないという保証があればその家と売主に対する信頼感は強まり、安心して購入に踏み切ることができると言えるでしょう。
そのうえで、調査済みということでその物件の価値が上がり売値も高くつけることができるため、結果的に相場よりも高く、そして早く売ることができます。
物件を売りに出してから、実際に購入希望者が現れて売買が成立するまでの期間は物件によって異なりますが、その期間が長引くほど維持費や税金などが必要となり、売主側の経済的な負担が大きくなってしまいます。
そのため、早く売ることができるかどうかは不動産売却時には重要なポイントであると言えるでしょう。
また、トラブルを避けるためにも調査をしておくことは有効であると言えます。
実際に住んでいたり所有していた売主側が気がつかないことでも、第三者による調査で新たに欠陥が発見される可能性は高く、知らないまま売却をしてしまうとその後のトラブルにも繋がってしまいます。
家の売買は立派な契約ですので、後から欠陥や瑕疵が発覚してトラブルになることを避けるためにも、インスペクションは行なっておくことが大切と言えるでしょう。
以上のことを踏まえたうえで、調査をしてその家の状態を把握することは、売買における売却額を定める際にも非常に有効であると考えられます。
基本的に不動産売買の際には評価額や周辺の類似物件の売却額の相場などをもとに定められますが、家の状況をすでに調査済みで、どのような状態であるのかを把握することで具体的な物件の価値を理解して値段をつけることができると言えるでしょう。
また、そのほかのメリットとして、調査をおこなうことで瑕疵担保保険への加入ができるようになります。
家を売却する際に、瑕疵担保保険に加入していることでよりその物件の価値が高くなり、より高い売値で売却することが可能になります。
家の調査をおこなうためには費用がかかってしまうことをデメリットとして考えてしまうこともあるかもしれませんが、調査をしておくことでより早く、また高値で売りやすくなるというメリットを考えると、必要な費用であると言えます。
インスペクションにかかる費用
ここまではインスペクションについて、メリットとともにご紹介してきましたが、それでは実際に調査を依頼する場合にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
基本的にインスペクションにかかる費用の相場は5万円ほどと言われていますが、費用の額は住宅の種類によって異なりますので注意が必要です。
たとえば、マンションの場合は広さに関わらず5万円前後が相場なのに比べて、一戸建ての場合は住宅の平米数によってかかる費用が異なり、165平米未満の場合は4万5000円ほどですが、250平米以上の場合は6万5000円ほどになる場合もあります。
住宅の広さによって、調査をする箇所も増えてしまうため、費用に違いが出てしまうのは当然とも考えられますが、マンションの場合には広さによって値段を変える業者は少ないのが一般的です。
また、今回ご紹介した費用の額は目安となっており、依頼する業者によってはもっと高くなる場合もありますので、調査を依頼したいと思ったときには、どこに依頼するのか費用の比較をすることも重要であると言えます。
また、これらは基本的な調査にかかる費用ですが、依頼内容によっては耐震性を見る調査や特殊な機械を使った調査をおこなうなどのオプションを選択することができ、その場合にはさらに費用が高くなってきますので注意が必要です。
物件を手放す前にできる限りその物件についての状況を知っておくことで思わぬトラブルを避けることができますので、築年数の経っている物件など、売りに出す際に不安に感じることが多い場合には、多少費用はかかってしまいますが、オプションでさまざまな調査をおこなうことを視野に入れておくと良いでしょう。
なお、基本料金以外の特別な調査の場合には調査だけで10万円ほどかかってしまうこともありますので、事前に調査にかける予算を決めたうえで選択をすることも大切であると言えます。
また、物件を売りに出して得られる売却益と照らし合わせて、結果的にどのくらいの利益が出るのか把握しておくことで費用に対する考え方も変わってきますので、事前に計算をしておくと良いでしょう。
まとめ
今回は不動産を売却する際のインスペクションをご紹介してきました。
この調査は義務ではないので、売主がその物件をどのように売りたいのか、希望の売値や予算などを考えたうえで選択することが非常に大切であると言えるでしょう。
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