洋室を使うことが増えた今も、私たち日本人は「和室」に特別な安らぎや趣きを感じますよね。
近年では、子どもの寝かしつけなどにも便利と、子育て世代の間でも、畳敷きの空間が見直されています。
しかし「和室」の魅力を保つには、洋室とは違ったケアが大切です。
今回は、「和室」ならではのお手入れやメンテナンスをわかりやすく解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら和室で使う「畳」の日常的な掃除法と3つのメンテナンス法
「畳」の素材や特徴を知る
和室といえば「畳」を連想する人も多いのではないでしょうか。
い草を編み込んだ伝統的な床材として、古くから活用されています。
畳は3つのパーツで構成されており、芯になっているのが「畳床」です。
畳床には藁を重ねて圧縮し麻糸で縫ったものや、木材繊維をあわせて板にしたインシュレーションボードを挟んだものなど、さまざまなタイプがあります。
私たちが肌で触れる部分は「畳表」といわれ、1枚につき4000本から7000本ものい草が使われています。
ふちの部分は、「畳縁(たたみへり)」と呼ばれ、和室にあわせた柄や色を選べますが、畳自体を保護する意味もあります。
い草には、湿度にあわせて湿気を吸ったり吐いたりする「調湿」の効果があるといわれています。
一般的なサイズは3尺(約90センチ)×6尺(約182センチ)ですが、種類によって大きさも変わります。
たとえば、縁がなく正方形の「琉球畳」は通常の半分ほどの大きさで、現代的な和室にも調和するので人気ですね。
日頃のお手入れ方法
普段のお手入れは難しくありません。
ほうきを使う以外に、掃除機を使ったお手入れが可能です。
まずは、1畳ごとに目にそって、掃除機をていねいにかけていきましょう。
お手入れしながら、小さなごみや埃が畳の目に入らないよう注意します。
和室の敷居や家具の隙間も、付属のノズルなどを使って吸い取ります。
その後、しっかり乾拭きして仕上げしましょう。
家具の裏などにカビが生えていたら、アルコールを薄めずにタオルに染み込ませ、換気に気を付けながら、ふき取ります。
時間のあるときには、畳表に直射日光が当たらないよう裏側にして、陰干しにするのもおすすめです。
カビのほか、ダニの発生をおさえ、衛生的に使い続けることができますよ。
「畳」のメンテナンスと時期の目安
畳も経年よって劣化します。
「裏返し」「表替え」「新畳」という3つメンテナンス方法がありますが、適切に使い分けることで、長く快適に使うことが可能になります。
和室で使いはじめて約2年から5年ほどで、最初のメンテナンスのタイミングです。
このときおこなうのが「裏返し」という方法で、畳縁を取りかえ、畳表をはがして上下を裏返して使うものです。
表面が日焼けしていた場合などにも有効ですが、上下を裏返すこの方法は、基本的に1度しかできません。
次に、劣化の状況にもよりますが、3年から10年ほどで「表替え」のタイミングとなります。
畳表をはがして、新しい畳表に交換します。
い草の新しく、独特のよい香りも漂いますよ。
長年使うことで、畳がへこみ、やわらかくなってきたら、畳床が劣化してきたサインです。
「新畳」は畳床もふくめて新調することで、一般的には15年以上がタイミングといわれていますが、適切な判断が難しいときには、畳店に相談するのがおすすめです。
和室の「障子」は自分でも張り替えが可能!?普段のお手入れも紹介
「障子」の役割や素材を知る
窓ガラスが普及した今も、和室には「障子」が欠かせません。
障子は強い日差しを遮る役目があると同時に、閉めていても、和室に採光をもたらすことができます。
外からの目隠しとしても、有用ですね。
真っ白な障子のほかにも、カラフルな障子紙や、和紙を使ったブラインドなどもあり、和室の雰囲気や好みに合わせて選択する楽しみもあります。
普段の掃除なら、週に1回程度、はたきをかけるだけで十分でしょう。
桟の部分など細かい部分などのお手入れは、爪楊枝をつかって、詰まった汚れや埃をかき出します。
「障子」のメンテナンスと時期の目安
障子のメンテナンス法といえば「張り替え」ですが、1年から3年が目安となります。
自分で張り替えることも可能ですよ。
まずは、桟の裏側から霧吹きで水をしっかり吹きかけ、障子紙を下からはがします。
桟の部分もきれいにできたら、陰干し。
そのあと、床に新聞紙を敷いて、障子の枠をその上に寝かせ、障子紙を仮止めしながら、枠よりも大きいサイズにカットします。
いったん障子紙をとり、桟にのりをつけえから、障子紙を張り、余った部分の紙を切り取れば作業は完了です。
障子紙には味のある和紙から、破れにくいプラスチック製の商品などもありますから、取り換えるタイミングで検討するのもよいでしょう。
障子の枠など和室の「白木」のケア
和室に出入りするたびに、開け閉めをする障子は、手アカなどの汚れが気になる場合もあります。
障子や柱などの白木をお手入れする場合には、乾拭きが適していますが、手アカが気になるときは、まずお湯に浸して固く絞った雑巾で拭き取ります。
枠の引き手のあたりが、手アカで黒ずんでいたら、500番くらいのサンドペーパーでやさしくこすると美しさがよみがえります。
サンドペーパーで強くこすると、建具を傷めたり、そこだけ白くなって返って目立ったりするので注意しましょう。
和室の柱など白木部分に汚れがつきにくくするには、雑巾で汚れを拭き取ったあと、乾いた布で白木用のワックスを塗布するのもよいでしょう。
和室の「ふすま」の簡単なお手入れ方法と張り替えのサイン
「ふすま」の役割や素材を知る
昔から、和室と、ほかの部屋を仕切るのが「ふすま(襖)」の役割です。
絵師による美しい絵がほどこされたものから、無地やデザイン性の高いものなど、現代的なものもあります。
構造にもいくつかタイプがあり、木製の骨組みに紙が何層にも重ね張りされているのが、もっとも一般的に使われる「本襖」です。
ほかにも、木製の芯材とボール紙を使用した「チップボール襖」や、ベニヤ板を貼って洋室との間仕切りに使われる「戸襖」などもあります。
貼る素材も、手すきや機械すきの和紙から、織物のほか、シールタイプのものなど多彩です。
簡単なお手入れ
和室の印象も左右するふすまは、美しさを維持できるようお手入れしたいですね。
たとえば引き手が、手アカなどで汚れた場合は、消しゴムを使って消すのもおすすめです。
下にゴミがたまっているときは、輪ゴムをふすまの下に置いて、数回、動かしてみましょう。
輪ゴムがたまった埃などをからめとります。
ふすま紙が汚れたら、補修紙を張ることも有用ですが、汚れの範囲や程度によっては張り替えを検討した方が効率的な場合もあります。
「ふすま」のメンテナンスと時期の目安
一般的なタイミングは、5年から10年ほどです。
メンテナンスには張り替えをおこないますが、黄ばみやシミ、紙が剥がれたり、穴が空いたりしたら検討しましょう。
本襖を自分で張り替えることも可能ですが、工具や専用のり、刷毛、マスキングテープなどの用意が必要になります。
また、ふすま紙にもデリケートなものがあり、工程も複雑なので、初心者や予算に余裕がある場合は、業者に依頼するのを検討してもよいでしょう。
自分でおこなう場合も、ふすまの種類で方法が変わるので、事前によく調べて準備してから取り組みましょう。
まとめ
和室の魅力を保つために知っておきたいお手入れの方法などを紹介しました。
洋室とは違う素材も多く使っているため、和室ならではのお手入れを理解しておくことは大切ですね。
定期的にメンテナンスも検討し、ぜひ美しい和室で快適にお過ごしください。
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